店舗集客でポスティング、ネット広告、新聞折込を比較

店舗を経営、運営されている方にとって集客は常に悩みの種だと思います。
特に新規出店の場合、どれくらいのお客さんが来てくれるかわからないので、不安も大きいことと思います。
今回は、店舗集客で役立つエリアマーケティング手法の代表格であるポスティング、ネット(広告)、新聞広告の特徴を詳しく比較しつつ、店舗運営者や店舗経営者の目線に立った実践的な使い方を紹介します。
【注】ネット(広告)と記載しているのは、広告以外の無料でできるSNS、ブログ(SEO)、Googleマイビジネスなどの施策も含まれているためです。
ポスティングの特徴
まずはポスティングからになります。
ポスティングの特徴やメリット、デメリットをまとめます。
【ポスティングのメリット】
・安い費用で始められる
・チラシさえあればすぐ始められる
・自分で始めることができる
・商圏範囲に限定して配れる
・100%配布できる
・建物=ターゲットユーザーを選べる
【ポスティングのデメリット】
・信頼できない業者が一定数いる
・クレームがある
・過疎地域は配布できない
ポスティングの集客
ポスティングで集客するには、以下の場合が適しています。
・即効性が欲しい
・予算が少ない
・自店が認知されていない
ポスティングの最大の特徴はスピードと手軽さです。
チラシさえあれば、「直ぐに」「自分で」始めることができます。
もちろん、効果を出すにはデザインや内容のノウハウが必要になります。
ただ、チラシ制作も印刷業者に依頼すれば、最短で1,2営業日で仕上がります。
こればネットに比べてかなり早いと言えます。
ネットもブログ等を使えば、その日のうちに作成できますが、すぐにアクセスされるわけでは無いので、アクセスされるまでに時間がかかります。
また、デザインを凝ったサイトにするには、どうしてもプロに制作を依頼する必要がありますので、1週間~1ヶ月程度の時間が必要になります。
ですので、新規にオープンした店舗の場合、自店の存在を認知してもらうのに、ポスティングは最適と言えるでしょう。
また、少ない費用で始めることができます。印刷費は1枚当たり1~2円程度で済みます。
プリントパックで、サイズ B5(182×257mm)、用紙 光沢紙(コート紙)、厚み 標準(90kg)、片面4色の条件だと、1万枚で13,700円となっています。1枚当たり1.37円です。
自分で配れば当然0円ですし、ポスティング会社に依頼したとしても地域によりますが、都市部では1枚当たり4~6円程度、郊外では5~10円で配布できます。
ただ、サービスや商品によっては、反響率(転換率)はネット(広告)に比べるとどうしても低くなりがちです。それを補うためにある程度の枚数を配布するようにしましょう。
ネット(広告)の特徴
ネット(広告)のメリット、デメリットになります。
【ネット(広告)のメリット】
・効果を数字で正確に把握できる
・クリエイティブの効果を見ながら何度でも差し替えでき、短期間で改善できる
・少額で始められる
・細かいセグメントでユーザーターゲティングが設定できる
・出稿タイミングを自由に設定できる
【ネット(広告)のデメリット】
・継続的な改善が必要
・広告運用に経験やノウハウが必要
・広告はある程度の製作費が必要
ネット(広告)の集客
ネットで効率よく集客するには、複数のプロモーションを活用することが大事です。
ポイントは、短期プロモーションと長期プロモーションを分けて考えることです。
短期プロモーションとは、短期間で効果が期待できるもので、リスティング広告、ポータルサイトの掲載、Googleマイビジネスの登録、インスタグラム・Twitter(広告)などがあります。
長期プロモーションは、LINE@、SNS(ブランドロイヤリティ化)、SEOなどで、効果が発揮するまでに長期間を要するものです。
短期プロモーションは費用が発生する広告が中心となりますが、長期プロモーションは基本的には広告費は不要なものの、内容のあるコンテンツを継続的に作成し、ユーザーを徐々に増やしていく必要があります。
次から各施策を詳しく解説します。
ポータルサイトの掲載
新店舗オープン時に店舗集客に圧倒的に効果を発揮するのは専門ポータルサイトの存在です。
例えば、美容系であればホットペッパービューティーで、宅配飲食系であれば出前館やUber Eatsです。
出稿費は月額掲載型や成果報酬型とサイトによって様々ですが、集客力に長けており即効性があるので、新規オープン時やリピーター客がまだ居ない時の短期的施策として効果を発揮します。
リスティング広告
次いで即効性があるのは、リスティング広告です。
出稿費も低予算で実施できます。
ユーザーが、検索で使うキーワードがニーズを反映したものですから、顕在顧客の可能性が高く、効率の良く集客できます。
また、エリアもかなり細かく設定できるので、商圏範囲に絞って無駄な出稿費を抑えることが可能です。
向いているのは、塾、リフォーム、士業、医院、ペット関連など客単価の高いBtoCサービスです。
Googleマイビジネス
現在では、何をするにも検索して探すことが当たり前になっています。
特に店舗の場合、マップ上に店舗情報が表示されるかどうかで集客に大きく影響します。
Googleマイビジネスに登録すると自社ホームページが無くても、自店に関連するキーワードで検索された際に、Google検索結果やGoogleマップに自店の情報を表示させることが可能です。
Googleマイビジネスの詳細は以下の外部リンクを参照ください。
実際、マップで上位表示させるには登録情報を充実させる必要がありますが、登録自体は無料のためやって損はないでしょう。
上記画像がGoogleの検索結果。赤で囲った部分がGoogleマイビジネスとして表示されている。
検索エンジンとしてのインスタグラム、Twitter広告
この手法は基本的には若年層がターゲットの中心になります。
ネットの検索といえば、GoogleやYahoo!が一般的と思われていますが、若年層スマホユーザーはインスタグラムとツイッターなどのSNSで検索している場合もあります。
Twitterでは飲食や物品系、エリア情報が検索され、Instagramでは女性がスイーツや美容に関して検索される傾向があります。
どちらも、広告も出稿できますので、広告とフィードによる投稿を組み合わせることで即効性の高い有効な集客手段となります。
LINE@
LINE@とは、ビジネス向けのLINEアカウントで、一般のLINEユーザーへの情報発信やコミュニケーションに活用できます。
初期、月額費用が無料で始められます。
LINE@は3つのアカウントタイプがあり、店舗はローカルアカウントを利用します。
使い方は、新規顧客の獲得よりは友達になってくれたユーザーにクーポンやキャンペーン情報を届けてリピートを働きかける方が向いています。
業種は、飲食店、美容室、エステ、マッサージ、クリーニング、ペット、物販など低価格で頻度が高いサービスが向いています。
次からは長期プロモーションになります。
SNS
こちらのSNSは、先ほど短期プロモーションで紹介したインスタグラムとツイッター広告とは異なります。
本来のSNSの使用目的としてユーザーとの交流をベースに展開される、継続的なコンテンツ配信と相互コミュニケーションになります。
もちろん、ユーザーとの最初の接触は検索エンジンとしての機能は同じですが、広告が新規顧客獲得向け専用だったのに対し、こちらは新規獲得とリピートの醸成が半々となっています。
フォローしてもらっているユーザー限定でキャンペーンやお得情報を発信することで、顧客との関係性を維持し、さらにその情報をシェアしてもらうことで、さらに新規獲得の効果を狙います。
ただし、これにはある程度のフォロワー数が必要で、そのフォロワーを獲得するには、継続的にコンテンツを発信し続ける時間や工数が必要になります。
こちらも広告と同じで、Twitterでは飲食や物販系、Instagramではスイーツや美容が向いています。
SEO
SEOは言わずと知れた、GoogleやYahooといった検索エンジンの上位表示策になります。
こちらもリスティングと同様に新規顧客獲得に効果を発揮します。
同じ検索エンジンマーケティングであるリスティング広告との最大の違いは、広告出稿費が不要でCVR(コンバージョンレート=転換率)が圧倒的に高いことです。
ユーザーに価値のあるコンテンツを継続的に提供すれば検索エンジンから評価され、自然と検索エンジンで上位に表示されるようになります。
しかし、上位表示させるには1,2年単位の期間が必要になりますので、長い目で少しずつ対応しましょう。
業種はあらゆるサービスに向いています。
新聞折込の特徴
新聞折込のメリット、デメリットになります。
【新聞折込のメリット】
・シニア世代、高所得層に有効
・広い商圏に有効
・比較的、信頼性が高い
・大量も枚数も1日で配布可能
【新聞折込のデメリット】
・最低枚数が必要
・新聞購読率が減り、商圏内で空白地帯が存在する
新聞折込の集客
新聞折込で集客するには、50代以上、特にシニア世代だけに絞ったプロモーションとして考えましょう。
30代や40代の家庭では、新聞を購読している家庭は少なく、新聞はもはやネットで無料で閲覧するメディアになっているからです。
逆にシニア世代は、PCやスマホの普及率がまだまだ少なく、ネットで集客を実施しても意味がありませんが、新聞は定期購読している家庭はまだあります。
また、新聞折込で配れないエリアをポスティングで補って併用することで効果が期待できます。
向いている業種は、スーパーマーケットや不動産、物販、健康関連などが向いています。
まとめ
店舗集客で役立つエリアマーケティングの手法を説明しました。
今回の説明はあくまで一般的な考え方で、実際に実践する際には業種やサービス、ターゲットユーザーの特性を考慮しながら、様々な手法を組み合わせながら展開する必要があります。
また、何よりも大事なのは、新規顧客獲得とリピート獲得の目的の違いを明確にし、一度やって終わりではなく、継続的に改善しながら実施していくことです。