ポスティングのメリット・デメリットと実践的な利用法

エリアマーケティングに効果的な広告手法として、最近、秘かに注目されているポスティングですが、そのメリットは何でしょうか。
今回は、ポスティングのメリットを理解した上で、ポスティングに向いているサービスやビジネス上の条件を見ていきます。
また、実際にポスティングで集客する上で、店舗運営者や事業責任者が抑えておくべき進め方をご提案します。
ポスティングのメリット
ポスティングのメリットは、特徴的なものとして5つ挙げることができます。
1つ目は、費用を安く抑えられる
2つ目は、簡単ですぐ出来て、自分で配れる
3つ目は、商圏範囲に限定して配れる
4つ目は、100%配布できる
5つ目は、建物=ターゲットユーザーを選べる
次から一つ一つ詳しく解説します。
費用を安く抑えられる
最大のメリットはなんと言ってもコストを安く抑えられることです。
広告の中ではダントツで低予算で始めることができます。
どのくらいの枚数を配布するかによって費用は変わりますが、仮に1万枚の場合、チラシ制作費が5万円、印刷費とポスティング代込みの単価が7円とすれば費用は7万円で、合計12万円となります。
対して、4媒体と言われるTV、ラジオ、雑誌、新聞で出稿しようとすれば、最低でも数十万円は必要で高額になります。
最近主流となっているインターネットのリスティング広告も低予算で始めることができます。
ポスティングと同様に10万円程度の予算があれば開始できます。
しかし、リスティング広告には受け皿となるウェブサイトが必要です。成果を発生させるために、しっかり作りこんだサイトやランディングページの製作費は最低でも20,30万円で、初期費用の合計は30,40万円かかります。
費用を抑えて出稿するには、ポスティングが最もオススメと言えます。
簡単、すぐ出来る、自分で配れる
2つ目の特徴は、手軽さ、スピードは他の広告と比べれば群を抜いていることです。
実際、ポスティングに必要なものはチラシのみです。それ以外には何も必要ありません。
チラシ制作も、成果に大きく影響を与えるので印刷会社に依頼した方が良いですが、最短2,3日ほどで完成します。
ポスティング会社に依頼する場合でも、チラシ制作から10日間ほどあればチラシ配布を開始することができます。
また、自分で配るようにすれば最短2,3日で開始できます。
しかし、他の広告手法だと、このようにはいきません。
出稿するのにも広告代理店などに依頼してなくてはならず、制作期間も長く、出稿枠の抑えなど準備期間も大掛かりで、かなりの期間や労力が必要になります。
商圏範囲を限定して配れる
3つ目のメリットになります。
店舗を構えて商売をするサービスの場合、商圏は非常に重要な要素です。
広告は、商圏外の見込み客にリーチしても購買や申込につながる可能性は少ないです。
客の立場からすると、家とお店の距離が近いほど利便性が高くよく利用します。
つまり、商圏外の見込み客にリーチしても広告が無駄になってしまいます。
ポスティングは、商圏外の住居に配らないという選択が可能です。
他の広告ではそうはいきません。
ざっくりとした範囲を制限することは可能ですが、町丁目単位やまして住居単位で制限することはポスティングだけができる特徴です。
ですから、無駄な広告費も発生しませんし、商圏内のお店に来てほしい見込み顧客だけにアプローチすることができるのです。
100%配布できる
4つ目の特徴は、ポスティングは100%配布できるということです。
他のどんな広告も、全てのターゲットユーザーに対してリーチすることはできません。
しかし、ポスティングだとターゲットユーザーに100%届けることが可能です。
もちろん、配布禁止の住居もあり完全に100%とはいきませんが、それでも100%に近い数字でターゲットユーザーにリーチできることはポスティングのメリットの一つと言えます。
住居タイプでターゲットをセグメントできる
ポスティングは住居の種類を選別することで、ターゲットユーザーをセグメントしてリーチすることができます。
不動産やリフォームなど住居の種類に特化した商材であれば、そのまま配布したい住居を選んで配布することが可能です。
また、若者向けの商材であれば大都市の賃貸向けマンションに限定することで、ターゲットユーザーをセグメントできます。
チラシを届けたいターゲットだけに限定してリーチできますので、無駄なチラシを防げ、時間とお金を節約できます。
ポスティングのデメリット
では、ポスティングのデメリットを見ていきたいと思います。
信頼できない業者が一定数いる
ポスティングの大きなデメリットの一つに、信頼できない業者が一定数いるということです。
信頼できないというのは、チラシをちゃんと配らずに捨てている可能性がある業者のことです。
これは、ポスティング業界が抱える問題で、このような悪徳業者がはびこっていることで、ポスティングという広告が今一つ信頼を得ていない原因でもあります。
ただし、ポスティングーはこのような悪徳業者と一切関わることなく、信頼できる業者だけと提携しています。
ポスティングーの配布ポリシーについてはこちらを参照ください。
クレームがある
他の広告手法にはなく、唯一ポスティングだけのデメリットとして挙げられるのが、クレームの多さです。
クレームの種類は、「ポストの周りにチラシが散乱」「チラシお断りの表示があるのに配布」「管理人の許可なしに配布」「ゴミを入れるな!」「複数枚入っている!」など様々です。
そして、ハードなクレームになると警察沙汰になったり、金品を要求されるようなこともあります。
ただし、ポスティング自体は違法ではありません。
ハードなクレームが入ると、クレーム処理に多大な時間と労力が必要になります。そうなると本業にも影響が出てしまいます。
しかし、そんな場合でも配布にポスティング会社を利用していれば、クレーム処理はポスティング会社が対応してくれますので、クレーム処理に時間を取られることはありません。
実践的なポスティングの利用
これまで見てきたポスティングのメリットやデメリット、特徴を見てきました。
ここからはより実践的なポスティングの利用について説明します。
ポスティングに向いている条件
ポスティングのメリットや特徴から、以下の条件に当てはまる方が集客でポスティングを利用するのは良い手段と言えるでしょう。
・店舗を構えている
・一定の商圏範囲で商売をしている
・集客の必要性を感じている(最近、集客で苦戦している)
・広告予算が限られる
・広告のノウハウや準備の時間がない
・店舗周辺の居住者からまだ認知されていない
・店舗周辺に住宅が密集している
・(自宅と店舗が近い場合)自宅のポストにポスティングチラシが少ない
「店舗を構えている」「一定の商圏範囲で商売をしている」「集客の必要性を感じている(最近、集客で苦戦している)」「広告予算が限られる」「広告のノウハウや準備の時間がない」はメリットの段落で説明した内容なので、ここからの追加説明は省略いたします。
店舗周辺の居住者から店舗の存在を認知されていない
店舗はその存在を知ってもらって初めて、集客につながります。
しかし、新店舗や立地が良くない店舗の場合、存在を知ってもらうのは簡単ではありません。
また、店舗周辺に住んでいる人も全ての店舗を把握しているわけではありません。
通期や通学に使用する通りにある店舗の存在は知っていても、普段使用しない道のお店については意識していないとなかなか把握していないものです。
チラシを配布することで、今までお店の存在を認識してもらえていなかった住人にリーチでき、認知される可能性が高まります。
すぐには反響につながらなくても認知さえされれば、いつか「そういえば、あそこにあった!」と将来の反響につながる見込み顧客として引き上げることができます。
店舗周辺に住宅が密集している
当たり前ですが、ポスティングは住居にチラシを配るので、住宅の密集度が高い方が配布も効率的ですし、反響にもつながりやすくなります。
チラシの反響率の考え方として統計や確率の世界にあり、あるチラシの反響率が一定の割合に集約されると考えると、反響を出すためには最低限の住戸の数が必要になります。
例えば、反響率が0.1%とした場合、1件の反響を出すには1,000枚配布しないといけません。
つまり、1件の反響を出すのに必要な住戸数はいくつ必要か、という風に考えれば必要な住戸数は変わらないので、住宅が密集している方が効率的に配れるため、反響も出しやすいといえます。
(自宅と店舗が近い場合)自宅のポストにポスティングチラシが少ない
自宅ポストに配られるチラシの枚数が少ないということは、それはポスティングで集客している競合の店舗が少ないということです。
これはチャンスだと言えます。
ポストに投函されたチラシの枚数が多いと、チラシを手に取った人はいつものことだと条件反射的にゴミと認識し、チラシの内容をほとんど見ることなく、すぐにチラシを捨てるようになります。
しかし、ポストのチラシが少ないと条件反射的にゴミ箱に捨てるようなことは少なく、ある程度の時間、どんなチラシかの要不要を確認して自分に必要なければ捨てるため、圧倒的にチラシの視認性があがります。
これは、先ほど説明した店舗の存在を認知させる上で非常に重要なポイントとなるので、ポストに投函されるチラシの枚数が少ないことはチャンスと思って、ポスティングを実施しましょう。
ポスティングの進め方
実際にポスティングを実施する際に、抑えておくべきポイントを紹介します。
始めは少ない枚数でテスト実施
仮に商圏範囲の住宅数が5万世帯として、いきなり5万世帯全てに配布してはいけません。
まずは、どこか地域を絞って1万世帯ほどを配布してみましょう。
配布後にその反応数をデータとして記録します。
そして、次にも同じ1万世帯を別の地域で配布します。
その際、1点だけ前回配布時と内容を変更します。
変更内容は何でも構いませんが、変更するのに意味がありそうなものにしましょう。
例を以下に挙げます。
ポスティング会社、チラシデザイン、チラシの訴求内容や構成、成果地点(電話問い合わせや資料請求など)、オファー内容(サンプル無料、〇%オフなど)、配布曜日、などです。
配布後、前回と今回の反応数を比べて、その結果の原因分析をしましょう。
そして、また同じように別の地域で、原因分析を反映した変更点を加えた1万枚を配布します。
これを数回続けていけば、少ない予算でどんどん改善でき反応率を高めることができます。
もし、これを数回繰り返して全く効果が出なければ、商品やサービスそのものが顧客にとって魅力が無いか、全く見込みが期待できないエリアである可能性があるので、その際はスッパリ諦めましょう。
このように効果があるかどうかが分からない時に、少ない予算で限定してテスト的に実施する手法は、マーケティング用語でテストマーケティングと言います。
(また、このようにデータ分析、評価、計画、実行と改善を繰り返していくこと改善のPDCAサイクルと言います。PDCAサイクルは次の段落で詳しく解説します。)
テストマーケティングは、少ない予算でも効果の有無を判断できて、少しずつでも着実に改善できるメリットがありますから、ポスティングを初めてする場合は必ず試すようにしましょう。
チラシのデザインをPDCAサイクルで改善する
上述したテストマーケティングと連動しますが、チラシデザインは必ずPDCAサイクルで改善しましょう。
どのようなデザインや内容がターゲットユーザーに効果的であるかは、やってみないと分からないことも多くあります。というか、広告主側の意図した通りにならず、予想外の結果になることもよくあります。
それらのリスクを回避するためにも、PDCAサイクルを用いて改善の精度を上げていきます。
集められたデータから原因を分析し、改善に役立て計画と実行を何度も繰り返し、再び評価することで、チラシデザインと内容がどんどん良くなり、反応率が上がっていきます。
定期的に配布する
ポスティングは、住人がポストからチラシを取り出したとしても確実に見てもらえるわけではありません。
チラシを取り出した際の住人の状況によって見てもらえることもあれば、見てもらえないこともあります。
ですから、1回のポスティングでは見てもらえないことを前提に、何度かポスティングして結果につなげるよう考えましょう。
また、住人は一定のタイミングで引越しをします。
ですから、半年~1年に1回のタイミングで定期的にポスティングを実施しましょう。
特に都市部の賃貸物件が多いエリアは引越しも頻繁に行われますので、郊外に比べて短いタイミングで配布するようにしましょう。
まとめ
今回はポスティングのメリットを理解した上で、ポスティングで集客する実践的なポイントについて、解説しました。
これまでポスティングを実施したことが無い方にとっては、少額な予算から始めて効果の有無を見極めてみるのも良いと思います。
ネット全盛の時代だからこそ、競合がまだ手を付けていないアナログなチラシ集客にあえて目を向けてみるのもアリだと思います。
今回の記事が、貴社の総合的な集客の手助けになればと思います。