ポスティングの依頼は料金だけで決めてはいけない!業者の選び方

「ポスティングを自分でやってみたけれど、手間も時間もかかって思った以上に大変だった!だから、次はプロのポスティング業者に頼んでみたいけど、料金体系や良い業者の選び方の基準がわからない……」
このようなポスティングの業者選びでお悩みの方へ。
今回は料金面だけでなく、内容面、サービス面などの観点からポスティング業者の選び方をご説明します。
ポスティングの依頼先を料金だけで決めてはいけない理由
「ポスティングは、どこの業者に頼んでも配るのは同じなんだから、安い業者を選ぶ方が良いのでは?」と考えている方も多いと思います。
しかし、ポスティングは『安さ』だけで頼んではいけないのです。
安さだけで選んではいけない理由を説明する前に、まずはポスティングの料金設定について知っていただきたいと思います。
料金設定を知ることで、ポスティングの費用感がわかり、安い業者とまっとうな業者の違いが理解できると思うからです。
なぜなら、まっとうな業者は最後の1枚までチラシをちゃんと配るために、様々な条件に応じた適正な価格を設定しています。
それに対し、安い業者は受注することが最大の目的で、そのため料金設定も受注しやすいよう安さを前面に出したものになります。そして、そのような料金設定だから人件費を削って、いい加減な配布となる場合が多いのです。
ポスティングの料金設定
では、そもそもポスティングの料金は、チラシを配る人件費以外にどんな要因があって料金が変わるのでしょうか。
わかりやすいところでは、チラシの折り作業の有無、特定の種類の住宅だけに配布(例:一戸建て)などがあります。
他にもいろいろな要因がありますが、このような条件やプランを追加することによって料金が変わっていきます。次から詳しく見ていきます。
配布物とチラシサイズによる違い
ポスティングの料金は、チラシかチラシ以外の冊子など、配布物の違いによって変わってきます。
また、チラシの場合だと、チラシサイズが大きいことでポストに入れるために折り作業が必要になると、料金が追加されます。
配布時に持ち運びしにくい配布物
配布物がチラシ以外の冊子やマグネットになると、チラシに比べて重量が重いため、配布の際に多くの数量を持てず、配布効率が落ちます。
また同様に、チラシであってもサイズが大きくなると配布時に持ち運びにくくなり、配るのが大変になります。
このように、持ち運びしにくい配布物になると、配布員一人当たりの負担が増して配布効率が落ちるので、ポスティング料金が高くなります。
・B4以上の大きいサイズのチラシ
チラシの折り作業が必要
配布物がチラシの場合、チラシのサイズが大きければ、ポストに入るサイズにするため、チラシを折る作業が追加で必要になります。
一般的に、チラシはA4までは折る必要がありませんが、A4以下のサイズであっても折る作業が加わることで料金が加算されます。
配布先や配布方法の違い
配布先や配布方法、配布期間に条件を追加すると料金が加算されます。
配布先
住宅が密集している都市と住宅ごとの間隔が空いている郊外では、同じ枚数を配るにしても都市の方が、効率よく配れることは容易に想像がつくと思います。
しかし、配布スタッフの単価は、都市でも郊外でも基本的にはほとんど変わりません。
つまり、配布エリアの住宅密集度によって配布効率が変わり、その配布効率に応じて単価が変わります。
配布効率が良ければ単価が安くなり、逆に悪ければ高くなります。
都市と同じ枚数であっても郊外のように配布効率が悪くなれば、多くの配布スタッフが必要になり、その分料金が増すということです。
また、マンションなどの集合住宅と一戸建てでは、同じ配るにしても、ポストが1つにまとまっているマンションの方が効率よく配れます。
ターゲットを一戸建ての住人に絞って配る場合など、住宅建物の種類を限定することで単価が加算されます。
・地域差:住宅密集度が濃い都市<住宅密集度が薄い郊外
・住宅建物の選別:一般住宅(選別なし<集合住宅のみ<一戸建てのみ)<事業所
配布方法
ポスティングには、単配と併配という仕組みがあります。
単配は、ポスティング会社が広告主1社だけのチラシを配ることです。併配は、ポスティング会社が複数の広告主のチラシをまとめて配ることです。
仮に単配と併配で配布効率が同じだとすると、ポスティングに掛かる人件費も同じなわけですから、併配では、複数の広告主がポスティングの人件費を分担できることになり、コストを抑えられます。
一方、単配は、配布スタッフの人件費を1社単独でまるまる負担することになるので、コストが割高になります。
つまり、単配か併配かで単価が変わってきます。
ただし、併配は、ポスティング会社が同時期で近しいエリアに配るチラシが複数ある場合に成立します。もし、複数なければ成立しませんので、事前にポスティング会社に確認しましょう。
また、併配の場合は、配りたいエリアや時期が必ずしも自分の希望通りになるわけではなく、ポスティング会社の都合や併配で同時に配られる他社の都合に合わせないといけなくなります。
また、チラシを複数同時に配る場合でも、一番上(表紙)にする表紙配布というオプションをもつ会社もあります。
・併配<単配
・表紙配布
配布期間
配布期間に余裕があると、ポスティング業者は他社のチラシとまとめて配ったり、配布スタッフの都合をつけやすくなるので、料金が抑えられる場合があります。
一方、セール期間や新規オープンなど期間が指定されて、なおかつ短期間にチラシを配りたい場合、加算されることがあります。
・配布期間が短く指定されている
ポスティング業者の選び方
実は、業者選びの前に大切なことがあります。
それは、ポスティングを実施することで、どのような結果を得たいのか目的や目標をできるだけ明確にしておくことです。「どのようなお客様から、どれくらいの反響があって、どれくらいの売上につながるのか。」
ただし、目標もこれまでの実績を根拠にした現実的な数字にすることが大事です。実現不可能な余りにも現実離れした数字を目標に設定しても意味がありません。
設定した目標とポスティングにかかる費用を計算すれば、費用対効果が見えてきますので、本当にやるべきかどうかがわかります。
それらを踏まえたうえで、ポスティング業者を選ぶ基準について紹介します。
料金の安さだけで依頼業者を選ばない
ポスティングの費用は、ほとんどが配布スタッフの人件費で、そこに配布先や期間など様々な条件やオプションが追加されて料金が変わることを説明しました。
そしてもし、あなたが依頼したポスティング会社からの見積が、あまりにも安い価格であった場合、そのポスティング会社は疑った方が良いでしょう。
なぜなら、配布費用のほとんどが人件費であるポスティングにおいて、価格を安くするということは人件費を削っていることになるからです。
行政から厳密に最低賃金が定められているこの時代に、人件費を削ればチラシをまともに配ることなんてできるはずがないことは想像いただけると思います。では、人件費を削らずにどうやって安い料金で配っていけるのでしょうか。
結論を言います。
料金が安過ぎるポスティング会社を選んだ場合、そもそもまともに配るつもりの無い会社か、配るつもりはあっても配布員の管理が行き届いていない業者のため、最悪、大切なチラシが配られずに捨てられてしまう可能性があります。
そうなると、反響が出るどころか単なるお金の無駄になってしまいます。
ですから、ポスティング業者を選ぶ際は料金や安さだけではなく、料金とサービス内容を十分にヒアリングして、信頼できる業者かどうかを検討して選ぶようにしましょう。
主要都道府県のポスティングの料金相場については、こちらの記事を参考にしてください。
業者によって違うサービス内容
ポスティング業者にも、いくつか種類があります。チラシの作成から相談できる業者もあれば、地元密着系、広範囲をカバーする業者など様々です。自社の目的や要望に合った業者を選ぶと良いでしょう。
ポスティング業者の違い
・地元密着系のポスティング専門業者
地元に密着したポスティングで長年の実績とノウハウが豊富なら、蓄積したデータから業種ごとに配布地域の特徴を判断し、エリアや配布時期などの提案をしてくれることが期待できます。
・配布物のデザインから印刷、ポスティングまでできる業者
ポスティング用にはどんなチラシを作ると良いか、どう配布するか、などを一貫して相談できるのがメリットです。
チラシ作成、印刷も含めたセットで考えている場合は、チラシの内容とエリアの組み合わせでどのような反響が多かったか、マーケティング的な視点でのアドバイスを提案してもらいましょう。
・他県など広範囲に対応できる業者
いくつかの都道府県にまたがってチラシを配布したい場合は、複数の支店を持つ業者に依頼すると便利です。
また、自社で支店がなくてもポスティング業者どうしの横のネットワークで、業者どうしが連携して複数の都道府県にまたがって配布する場合も多くあります。
都道府県ごとに複数の会社に依頼する手間も省け、チラシの発送や管理も一元管理できるので便利です。
業者選びのコツは目的に合った提案があるポスティング会社
どこのエリアの、どのターゲット層から、どれくらいの反響を得たいのか、を明確にした上でポスティングの依頼内容を検討しましょう。
また、料金を比較するのであれば、複数のポスティング業者に見積依頼し、相見積をしましょう。
その際、実績やマーケティングの知識をもとに、目的に合ったポスティングのプランを提案してくれる業者かどうかが重要です。
地域を理解していれば、どのエリアにポスティングした方がいいのか提案をもらえます。
他に過去データの蓄積や経験があれば、いつ頃配布したらいいのかアドバイスをもらえます。
大切なチラシで反響を出すため、ポスティングのプロの目線からアドバイスや提案をしてくれる業者を選びましょう。
ポスティング業者選びの注意点
ポスティング業者を選ぶ際、注意したいことが2点あります。
まず1つ目は信頼できる業者であること。そして、2つ目はアフターフォローをしてくれることです。
信頼できる業者であることが大切
ポスティング業者を選ぶ際、最も大事なことは信頼できる業者であることです。
チラシがきちんと配られておらず、何枚も同じポストに入れられていたり、万が一捨てられていた場合、チラシの広告主も信用を失う恐れがあります。
信頼できるポスティング業者かどうか、依頼の際は以下の項目をチェックしましょう。
・費用が安過ぎず適正であるか
・配布体制
・配布員の管理やチラシ配布状況の把握
・GPSなどのチェック体制とそれが機能しているか
・配布完了報告
ポスティング業界には、業者で作っている協会や組合などの団体があり、精度向上への取り組みを行っていたり、大きな案件を共同で受けたりしています。
団体に加盟していないからダメというわけではもちろんなく、あくまでひとつの目安ですが、業者を探す際に加盟しているかどうか確認してみるのも良いでしょう。
ポスティング業者の配布体制
ポスティング業者の配布体制には、主に以下の3つがあります。
・移動型
配布員は、会社からチラシを持って現地へ移動、または、現地や集合場所で業者からチラシを受け取りポスティングする。
・在宅
:各地域に住む配布員が業者からチラシを自宅で受け取り、自宅近辺にポスティングする。
・キャラバン型
移動型と似ているが、配布員はポスティング会社に集合し、複数人のチームで車などで移動してポスティングする。
アフターフォローをしてくれる
ポスティングでは、配布中だけでなく配布後もトラブルやクレームが入るケースがあります。
例えばポスティング禁止のマンションへ配布したことで、謝罪だけでなくチラシの回収を求められることや、警察に通報される可能性もあります。
そういったトラブルの際、ポスティング業者がクレーム対応をするかどうかも業者選びのポイントになります。
アフターフォローという点では、配布後の管理報告のほかに、ポスティング後の反響に対するヒアリングや次回への提案も挙げられます。
ポスティングは1回で反響が出るとは限りません。どうしたらより反響を得られるか、配布計画→実行→評価→改善の流れを親身になって継続的に考えてくれる業者を選ぶとよいでしょう。
まとめ
ポスティング業者の料金の仕組み、サービスによる違い、依頼する際の注意点を説明してきました。
料金が加算されるのには、地域やチラシのサイズなど条件やオプションが影響します。人が配るという点ではどの業者も同じですが、その内容・方法は業者によって大きく異なります。
料金が安いだけで選んでしまい、せっかくのチラシを無駄にしては意味がありません。
広告主の目的に合ったプランを提案し、最後の1枚まできちんと配ってくれ、配布員の管理、配布報告、アフターフォローまでしっかりしている信頼できるポスティング業者を選びましょう。